こんにちは。
いやあ、それにしても暑い!
仕事の合間に食べようと思って冷蔵庫から出しておいたアーモンドチョコが、ちょっと
別件で20分程度外に出しっぱなしにしていたら、もうドロドロ!
そんなに暑いんです。
つうか、誰だ?
窓を開けて換気をするにしても、机の上に俺のチョコがあるのに気づいたら冷蔵庫にし
まうか、換気するのをあきらめるかしてくれよ!!
畑仕事の途中で...
さて、今日も畑仕事中に倒れられたおばあさんが救急搬送されてきました。診断は熱中
症。点滴をしてちょっとずつ意識が回復してきていますが、まだまだ予断は許されない
状況です。入院して数日間は様子をみるといったところでしょうか?
一緒に作業していた家族の話では、こまめにペットボトルのお茶を飲んでいたとのこ
と。ですが、やはりちびちび飲んでは量が少なすぎて水分補給としては足りないんで
すよ。あとお茶の中のカフェインは利尿作用があるので逆効果になってしまうんです。
飲むなら、カフェイン抜きでミネラルの入っている麦茶やスポーツドリンクの方が全然
いいというお話を家族にしました。
このところ、私自身も大塚製薬にはものすごくお世話になっております。本当にありが
とうございます!
熱中症とはどういう状態?体の仕組みを理解する
では、熱中症というのはどういう状態のときに起こるのでしょうか?
体温調節中枢とは?
まずそのために、人間の体温調節の仕組みを簡単に説明したいと思います。
ヘビやカエルなどの気温の上り下がりとともに体温が変化する「変温動
物」に対して、私たち人間はどんな気象条件においても体温を一定に保とうとする「恒
温動物」です。それは、私たちの体の中での代謝と関連している酵素が37℃前後でもっ
ともしっかり働いてくれることと関係しています。酵素はタンパクですから、一定以上
に温度が上昇すると固まってしまいますし、逆に体温が下がりすぎてしまうと働きが弱
まってしまうのです。
ですから、体の中で常に食事からエネルギー(熱量)を摂取したら、その60~75%分
を体温を上げるために使っています。
一方で体が熱くなってくると体温調節中枢でそれを感じとって、体の各方面に指示を出
していきます。この体温調節中枢というのは脳の視床下部というところにあります。こ
の視床下部には満腹中枢と言われる摂食中枢やそのすぐ下にある下垂体からホルモンを
分泌するためのホルモンを出すところであります。
さて、体温調節中枢からの各方面への指示としてはどんなものがあるのでしょうか?
汗をかくということ
まず体温調節中枢から指示を出す皮膚温度調節では、体温の調節を汗をかくことでおこ
なっております。水分と塩分を含んだ汗が皮膚の汗腺から分泌されて、皮膚の表面から
気化(蒸発)する際に熱を奪っていき、体を冷やしていきます。
ここで汗をかきすぎると、水分が奪われて脱水傾向になるとともに、体内に塩分も多量
に出てしまうのでナトリウムが体内から欠乏してしまいます。この状態を低ナトリウム
血症と言いますが、意識障害になったり不穏状態や興奮状態となったりして適切に治療
しないと命に関わる状態になってしまいます。ですので、汗をかいたら水分補給ととも
に塩分補給が大切なのです。
汗をかくためには体内に十分水分がないといけません。ですので、極端な脱水状態にな
ると発汗ができなくなるので、ますます体の中に熱がこもってしまいます。
一方で、大量に汗をかいたときは皮膚の表面に塩分が残ったままになってしまいます。
体がべとつくのはそのためなのですが、それを放置すると今度は浸透圧の関係で汗が出
にくくなってしまいます。また風通しの悪い場所や閉め切った湿気の多い部屋での作業
の場合は汗が蒸発しにくく、やはり汗がかきにくくなって熱中症になりやすいのです。
汗をたっぷりかいたら、シャワーで皮膚についた塩分を流して着替えることが大切なん
です。
皮膚の表面の血管が拡張する
体内の温度を深部体温と言いますが、それは主に脳や心臓をはじめとする内臓の温度を
表しています。私たちの体ではこれらの臓器が一定の温度のもとで、ベストの働きをし
てくれるように常にこの深部体温を調節しています。その調節のおおもとが体温調節中
枢なのです。体温があがると、脳や心臓の働きが低下しないように体温を下げる機構が
働きます。これが自律性体温調節と呼ばれるものであり、自律神経の働きにより主に皮
膚の血管が拡張して、温まった血液の熱を皮膚のところで逃がしてあげるという仕組み
になっています。
ですので、皮膚がすぐに温まるような環境下では、この調節がうまくいかなくなるので
す。帽子もかぶらずに強い日差しの中にいたり、キッチンやボイラーの近くでの作業は
皮膚の表面が温まりすぎなので、熱中症になりやすいのです。
歳をとって動脈硬化が進行していると、硬くなった血管はうまく拡張しないためにこの
調節機構が働きにくくなっていることもあり、体内の余剰水分がもともと減っている高
齢者は、とくに熱中症に注意しなければいけません。
行動にも十分注意を!
人は寒いところにいると、手をさすったり足踏みをしたりして体を動かすことで温まろ
うとします。これが行動性体温調節です。暑いときは、薄着をしてエアコンの前で涼ん
でいるのが一番なのです。
でも世の中にはそれが許されない人もいるのです(これもおかしな話だが...)。炎
天下の中の部活、制服姿(消防士や警察官など)での仕事などがそうです。体を激しく
動かしていると体内で熱が発生してしまい、この暑さの中では、水分補給も間に合わず
に体内に熱がこもってしまいます。
また子どもは身長が低いので、都会のアスファルトからの照り返しがきつく大人以上に
熱中症になりやすいとされています。
血糖の高い人もデブも!
俺のことだ!
この方々はさまざまな意味で熱中症になりやすいとされています。脂肪は筋肉よりも熱
を体にためやすいのです。たしかに太っていると真冬でもTシャツで過ごせます。血管
の豊富な筋肉の方が熱発散作用があるので、筋肉が少なくそれ以上に脂肪の多い人は熱
中症になりやすいということになります。また血糖値が高い人、特に糖尿病が進行して
いる人や尿糖が出るような糖尿病薬を飲んでいる人は、尿糖にひっぱられて体の水分が
尿として排泄されやすいので脱水傾向に傾きやすく、病気ゆえに自律神経系の機能低下
に伴い体温調節機能が低下しているので、これも熱中症になりやすいので注意です。
そして糖尿病、肥満で共通しているのはあまり運動をしないので、もともと汗をかきに
くい体質になっている可能性が高く、そういう意味でも体内に熱を閉じ込めがちでもあ
るのです。
さて、熱中症について長々と書いてしまいましたが、要するに熱中症を防ぐためには
- 水分補給と塩分補給
- シャワーで汗を流して、着替えをこまめに
- 帽子をかぶる、風通しの良い服装をする
- 熱いところでの仕事やフル装備の制服での仕事に注意
- 子どもや高齢者は熱中症になりやすい
- 暑い日は激しい運動は避けるように
- 太った人、糖尿病の人は気をつけて
- 涼しい季節から運動して汗をかく習慣を身につける
ということで、まとめさせていただきます。みなさんも気をつけてくださいね!
以上たーさんでした(終)