こんにちは。
連日の猛暑も、週末の台風で一息いれるような感じになりそうですね。
恵みの雨というか、恵の台風!?
ただ、まだ7月。これから夏本番の8月がくるわけで、台風が来ない西日本は引き続き暑い暑い日々が続くという予報です。
とにかくみなさん、熱中症には気をつけてください。
消防庁は7月16日から22日までの1週間に救急搬送された人数が全国で22,647人にのぼったと発表しました。これは1週間分の集計を始めた2008年以降では最多の数字です。ものすごい人数ですし、ほんと救急隊員のみなさん、お疲れ様です。
その年齢構成ですが、実は65歳以上の高齢者が10,525人で、全体の46.5%を占めているとされています。いかに高齢者が熱に対して弱いかということです。
なぜ、高齢者は熱中症になりやすいのか?
高齢者が熱中症になりやすいのには、いろんな要素があります。
高齢者は皮膚での温度センサーが鈍くなっている
私たちは皮膚の表面の末梢受容器で温度を感じるのですが、高齢者の場合はその温度センサーである受容器の感度が鈍くなっています。外に出ていて日差しを浴びると、視覚的に「熱い」ということを意識できるのですが、家に閉じこもっているとなかなか気づかないのです。気づいたときは、すでに熱中症の初期症状になっていることがあります。高齢者の場合、室内発症が多い原因はそこにあります。
高齢者は熱を放散する力が弱い
以前にも書きましたが、高齢者の場合は動脈硬化により末梢血管(皮膚血管)の弾力性が減っていることもあり、皮膚の血管が広がらないために皮膚表面から熱を放散する力が弱くなっています。また汗をかきにくくなっていることもあり、皮膚表面から熱を発散することも難しくなっています。そのために、脳や心臓のある体の深部(コア)の体温がどんどん上昇してしまい、熱中症になりやすくなっています。
特に脳は40℃を超えると働きが極端に鈍くなることが知られています。意識をなくす前に早め早めに手をうっていくことが大事です。
高齢者は体内の水分量が少ない
これは体の大きさによって個人差がありますが、高齢者は体内の水分量(血液も含む)が若年者に比較して少ないのです。水分は汗をかくためにも必要なのですが、高齢者の場合は若年者よりも少ないのです。しわのある手背の皮膚を持ち上げると分かりますが、水分が十分にあると皮膚をつまみ上げてもすぐに元に戻ります(2秒以内に戻るのが正常)が、水分が少ないと持ち上げた状態のまま、なかなか皮膚が元に戻りません(ツルゴール反応と言います)。高齢者の場合は、この反応が低下している(つまり水分が少ない)ことが多いのです。
今のところまでは一般論として言われていることですが、ここからは私自身の経験から熱中症にかかってしまう原因をあげてみたいと思います。
暑くても手足の末梢が冷たく感じてしまう
高齢者の中には脊髄神経や末梢神経が圧迫される病気になっていることがあります。そのときには、手足の神経がしびれるので、冷たく感じることがあるのです。実際冷たいと感じる手足を触ってみると温かいのですが、神経的に冷たく感じてしまうのです。
一方、動脈硬化が進行して手足の末梢に十分に温かい血液が流れにくくなっている人もいます。其の場合は実際に触っても感じても冷たいのです。
このような末梢が冷たく感じる病気のために、夏の暑い時期でも靴下を何枚か重ね着して履いている人がいます。エアコンの冷気がますます手足を冷やしてしまうので、エアコンをつけることを嫌がります。
そもそもエアコンは体に悪い
これはいまだに高齢者の間で言われている都市伝説みたいなものです。
たしかに昔の冷房機は、温度調節が「弱」と「強」(時に「中」や「最強」「微弱」)ぐらいしかありませんでした。今のように細かく温度調節ができるようなものではなかったのです。だから冷えるときはガンガンに冷えてしまいました。
そのガンガンに冷えた部屋から一歩外に出ると、すごく暑い!
昔の冷房機は床に設置する形だったので、冷却された風は足から腰にかけて大部分滞留し、必要あらば扇風機で拡散しておりました。さらにパワーとしても弱いので、常に部屋を閉めておかないとなかなか冷えてくれませんでした。
ですので、長時間部屋にいると足腰ばかり冷えて、部屋を一歩外に出るとモワッと暑いのです。体が一気に熱くなり、こういった状態が体の体温を調節する自律神経を障害していくなんて言われていました。
ただ今のエアコンの性能は全然違うのはおわかりでしょう。
みなさん、エアコンを使いましょう!!
熱中症を予防するために
とにかく、この夏は暑いので、自宅全体をエアコンをつけてマイルドに冷やしてあげてください。出かけるときも、可能ならば日差しが弱い早朝や夕方にした方がいいと思います。水分補給はこまめに、それも緑茶ではなく麦茶やほうじ茶などのカフェインレスのものを摂るようにしましょう。スポーツドリンクもいいと思いますし、お水だけの場合は塩キャラメルなどと一緒に塩分も体にいれてください。入浴中も就寝中も汗をかいているので、その前後には水分補給を。また汗をかいたらしっかり拭くか、着替えるかしましょう。
熱中症の初期症状
そして熱中症の初期症状が出て、水分補給や体を冷やすことで改善しない場合は早めに病院を受診しましょう。どこでも点滴くらいはしてくれると思います。
体がだるい、食欲がわかない、吐き気がする、めまいがする、頭痛がおきている、手足がしびれたりつったりするなどのいくつかの項目がある場合や、水分摂取が自力しづらい場合には受診してください。
というわけで、まだまだ7月。週末はいったん気温が下がるだろうと言われていますが、それでも西日本はまだまだ暑いとの予防です。
みなさん、本当に気をつけてくださいね。
以上たーさんでした(終)