たーさんブログ

自分の人生を再構築したがっているおっさんのつぶやき

転倒を防ぐために足元に気を配ろう~肉体改造、体のケアの一つとして~

こんにちは。

 

少し前になりますが、とある研究会に参加した際に「転倒」ということについて面白い話を聞きました。

かつては頭部外傷や脊髄損傷の原因として、交通事故がダントツに多かった時期がありました。最近は交通整備が進み、車自体も頑丈になり事故防止の機能が整ってきていることと、さらには公共交通機関も発展してきているということで交通事故自体が減少しつつあります。

交通事故による負傷者も1999年から2007年までは年間100万人を超えていましたが、最近は60万人を切ってきており、毎年3,4万人近く減っているとのことです。

その一方で、高齢者の転倒および転落が頭部外傷や脊髄損傷の原因となることが多くなってきています。転倒して軽傷ならいいのですが、骨折したり脳挫傷や脊髄損傷で麻痺になって寝たきりになってしまう危険性も少なくなく、これは超高齢化社会を迎えている国の共通する悩みであります。

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さて難しいことは、専門的なページに譲るとして、

最近こうした転倒の危険性をはらんだ高齢者の歩き方に注目して、足をいかに地面に着地させているのか、足の裏にどれだけどのように圧力がかかっているのか「足底圧」の分析をしている研究があることを聞きました。

私たちは、どうしても自分の目につく部位については、すぐに異常に気づきケアを積極的にやりますが、どうしても目の届かないところについてはおろそかになりがちです。

足についても同様で、かなり多くの方が足のケアをしていないことがわかっています。

特に高齢者になると、体の不自由さも影響してか目や手の届きにくい足にいろいろと問題を抱えるようになってきます。

例えば、白癬菌、いわゆる水虫です。高温多湿の気候と、共同浴場使用の文化のある日本では特に水虫になる可能性が高く、65歳以上の3割程度が感染しているとされています。その一方で、実際に治療を受けている人は、命にかかわらない病気という印象があるせいか少ないとされています。

実はこの白癬菌に感染することで、転倒する危険性が増えていることがわかっています。もちろん、ある程度重症化している場合ですが、たかが水虫といえども侮れないということです。

巻き爪やタコ、魚の目も同様です。

こういったデキモノが原因で、痛みのためにしっかりと足を地面に着地することができなかったり、体のバランスが崩れたりすることで転倒しやすくなっています。

 

実際に足の裏の歩行時の圧の分布をみると、健常者はつま先とかかとに均等に順番に圧がかかっています。つまり、かかとで着地してしっかり体重を載せたのちに、体重移動をして体が前に進むとともにつま先に体重が載り、そして最後につま先でけり出していきます。この一連の動作が左右の足で交互にできているのが正常な状態です。これがきちんとできるということは、当然十分な歩幅(足と足の前後の間隔)があり、歩隔(左右の足の間隔)も安定しているので、重心も安定しているのです。

ところが、足のケアが十分にされていないと、痛みや構造的な問題(外反母趾などもそうです)でこの足の裏における重心移動ができなくなってしまいます。研究会では実際に巻き爪患者の歩いているときの足の裏の圧の分布を示していましたが、ほぼ足の真ん中部分に圧がかかっており、爪がある足先はもちろん、かかとにも十分に圧がかかっていませんでした。ということはかかとで着地、つま先でけり出しという一連の動作はできておらず、極端には足全体を真下におろすような姿勢で歩いているという感じになってしまうのです。当然歩幅は小さくなり、左右の足の着く位置も一定しないので、体の重心の位置は歩行の都度にずれてしまい、それ故に転倒しやすくなります。この患者の巻き爪を処置してあげて、それからまた同様に計測していると、明らかに歩容が変化していました。歩行が安定しているのです。

 

当然ながら、この重心の不安定性は脳梗塞による麻痺があったり、腰の病気による足のしびれがあったりすると、より著明になってきます。日々のリハビリで、どれだけ筋力をつけていっても、肝心の足の裏の負荷のかけ方が悪ければきちんと安定した歩行はできませんし、転倒しやすくなってしまいます。

 

 

この考え方で行くと、健常者で足にこういった病気がなくても靴自体が合わないものであったならば、転倒しやすくなるということになります。一人一人の歩行が違うように、一人一人にフィットした靴が必要であるということで、それは立った状態と歩いている状態、さらには走ったりジャンプしたりしている状態、いかなる場合でも足のきちんとした部位に圧をかけるものでなくてはいけません。

それだけ靴について気を配ることは大事なのです。

某靴作りの方がテレビで言っているように、靴に数十万円かけて、年単位で出来上がりを待つということが普通なのかどうかはわかりませんが、、、

でも、私たちも身なり、エチケットでちゃんとした靴を履くということを心掛けたいですし、それだけでなくきちんとした歩き方をする上でも非常に重要だと感じました。

 

肉体改造計画の中でも、筋肉だけでなく足元にも気を配るようにしていきたいですね。

 

以上たーさんでした(終)