たーさんブログ

自分の人生を再構築したがっているおっさんのつぶやき

「働き方改革」道半ばですが、、、

こんにちは。

 

今晩から関東も雪が降るかもしれません。

みなさま、気を付けて出かけてくださいね。

 

どうすれば仕事を短時間で集中してこなすことができるのか、ということをいつも考えるようにしています。

自分自身もそうですし、周りの人たちにもやはり仕事がなかなかはかどらず、時間外労働が当たり前になっている人が多くいます。この現状をなんとかできないかと悩んでいる次第です。

f:id:gota0620:20190131103755p:plain


 

昨今、例の「働き方改革」で残業は極力減らすようにと経営者側から指導されており、一番最近の会議では、帰らなければいけない時間17時15分以降に研修医を残してはいけないという決まりができてしまいました。

まあ、初期研修医に限ってということなのですが。

ただ今の彼らの働き方だと、1日の大部分が雑用だらけで終わってしまいかねません。手術などの貴重な医療の現場に触れることが少なくなり、また救急を診る頻度が減るということで、彼らのためにならないと思うのですが、世の中の風潮がそうなので仕方がないことです。

 

ということは、限られたその時間の中で、いかに効率よく仕事をして、ある意味自分のための時間を確保できるかということが大事になってきます。そういう目で見ると、残業しやすい、つまり仕事のはかどりが遅い人の仕事運びのまずさで気づいたことがありました。

それは、一つ一つの仕事(特に重要でないこと)に時間をかけすぎているということ、そしてどの仕事から手につけていいかわからずあたふたしているということです。

もちろん、手術を丁寧にやったために時間がかかってしまった(これもやはり限度があると思いますが)、患者の診察に時間をかけて話を聞いてあげた(これも雑談メインになってしまっては意味がありませんが)といったことで、ある程度仕事によっては時間がかかってしまうのは仕方がないと思います。

しかし、ほかの科への廻し(他科への相談の紹介状のこと)を書くのに、通常2,3分、長くとも5分程度かければ済むものを30分近くかかってしまうってどうなのでしょうか?

あるいは夕方のカンファレンスの際にプレゼンをするので、そのための画像資料をそろえるのに1時間以上かかっているってどうなのでしょうか?これも普通なら5分から10分程度あれば済むことです。

このような患者さんと直接接する事柄でないものに時間をかけすぎてしまっているのです。いわゆる雑用にこれだけ時間をかけてしまうと、研修医にとってもっと大事な仕事を行う時間がどんどん削られていってしまいます。手術や検査を見てやり方を学ぶだったり、救急外来に行って緊急の患者さんの処置を手伝うだったり、病棟で痛がっている患者さんの診察をするだったり、、、

学ぶべきことは現場に足を運べばいっぱいあるのに、パソコンの前にずっと張り付いて電子カルテ画面とにらめっこしているのはどうかと。

(だいぶグチっぽくなってしまいましたが)

 

このようになってしまうことの原因の一つに、若手の場合は当たり前ですが、身分が下なので他の者が用事を言いつけやすいというのがあります。

下剤などのちょっとした処方の追加、保険の診断書の記載漏れ、そして廊下では業者(MRと言って薬の宣伝をしている人)につかまって説明を受ける、そういった作業がとにかく多いのは本当に気の毒です。そして、それらを時に一度に受けざるをえないこともあるので、本人たちはどこから手をつけていいかわからなくなってパニックに陥ってしまいます。

概して、パニックに陥ると、電子カルテの画面でフリーズしていることが多く、それが前述したように他科へのまわしや資料集めにものすごい時間がかかってしまう原因なのでしょう。かと言って、出来上がった内容が決して出来がいいというわけではありません。さらに、疲労困憊のことも結構ありますが、、、

 

 

そういう彼らにアドバイスしたら、少し改善してきました。

まず、何か用事を言われるのは仕方がないので、言われたらその場ですぐに解決できることならば(例えば書類の記載漏れで〇をつければ済むものなど)、その場ですぐにやってしまうということ。具体的には数秒で解決できることについてです。

次に、5分以上かかりそうなものについては急ぎでなければto do listを作成して、優先を自分で決めてスキマ時間にどんどんやってしまうようにしました。もちろん、追加して新しいことを言いつけられると思いますが、そのときはto do listの順番のお尻にどんどんつけていくようにしていくようにしていくのです。

やや急ぐ用事、たとえば締め切り時間までに定期処方を出さなければいけないなどの場合は、ほかに手の空いている人がいないか探してもらいます。別に研修医しかできない仕事ではないので、ほかの手の空いていそうな人を見つけてやってもらうようにしました。このときに探す当事者は、あくまでも頼む側。研修医には現在進行中の仕事に集中してもらいます。

一方、頼む側も、いろんな人がバラバラに頼むと迷惑するので、お願いすることリストを作成してもらい、一度にお願いするようにしました。頼むのを一系統にしたのです。そして、頼む側の方もそのリストに優先順位をつけてもらうようにしました。こうすることで、優先をつける上でお互いの判断が統一されていきます。

そして何よりも、緊急時にはこれらの仕事は投げ出して構わないので、すぐに現場に駆けつけることを徹底しました。こういう現場が一番学べるところなのです。ほかに人がいるからいいや、という考え方ではおそらく立派な仕事はできないでしょう。

また一定時間は、つまり手術が佳境に入っている、あるいは難しい検査の時間は手技を学べる大事なところなので、この場合は緊急がない限りはしっかり自分で時間を確保して、見学に当てることを命じました。

とにかくある意味パシリとして認識されがちな彼らは、その場にいるだけでいろんなことを命じられてしまうので、雑用を指示されやすい場にいるのは必要最低限。1日の中での時間管理を明確にし、物ごとの優先順位をしっかりつけるようにして、そして自分にとって本当に必要な時間を確保するように言いました。そして、一つの仕事を始めたら、ほかの指示をどんどん出されても、緊急時でないかぎりはとにかく今手をつけている仕事をまず終わらせることを徹底することとしました。

 

こうすることで、彼らはだいぶ気が楽になったと言います。積極的に仕事に参加できるようになったし、毎日笑顔を見せるようになりました。もちろん、夜9時すぎまで雑用で残されている人はいません。当番でなければ早く帰宅できるようになっています。

世間では当たり前のような仕事管理の方法ですが、昨年自分が今の職場に戻ってくるまでは、だれも実践していなかったようです。

単に残業を減らせだけでは、多分いい職場にはならないと思います。残念ながら給料を私の一存で増やすことはできません。でも、少しでも無駄な時間、無駄な行動を省けるような働き方を見つけることができれば、働きやすい環境になるのです。

 

働き方改革

まだまだ道半ばです。

 

以上たーさんでした(終)