こんばんは。
この2日間、高齢者の車の運転について自分なりの解釈で書いてきました。
認知症の問題をはじめ、自分の仕事をしている分野に密接に関係している事柄なので、かなり自分の経験も含めて書いてきたつもりです。
まず、都市部と地方の田舎では生活環境にかなりの格差があり、それが車の必要性の程度につながっているということを書きました。これから超高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者の元気を維持するためには車が欠かせない一方で、加齢に伴う体の変化により事故が起きやすくなっているのも事実であるため、行政が何らかの手を打たないといけない時期にあるのです。
2年前の道路交通法改正で、高齢者の免許更新における検査が厳しくなっていることも書きました。
厳しくなったことで、認知症の可能性があるドライバーについては事故を未然に防ぐことがある程度可能になったと思います。ただし、高齢者の運転事故原因として必ずしも認知症だけが原因でなく、そういった原因による事故の数が少ないとは言え、それらによる事故のリスクについてはまだ完全に防げている段階にないことを言わざるを得ません。
高齢者ドライバーの中で、安全に運転できる人と危険性のある人については免許更新の際にふるいにかけることで、ある程度の成果を出すことができると思います。もちろん、前回書いたようにこれからますます高齢者は増えることになるので、検査の手順の簡易化、検査をする人および講習の場所を増やなければいけない問題は今後急いで解決しなければいけません。
さて、高齢者が運転するという前提で解決策を考えてきましたが、そうでない方法で解決策はないものでしょうか?
高齢者が運転する必要があるのは、買い物などの目的があるからです。まれにドライブを楽しむ人もいるかもしれませんが、基本的には必要にあるから乗るのです。
まず高齢者が運転しなくていいようにするには、目的地が家の近くにあればいいのです。もちろん、田舎を都市化することはまず不可能なわけで、単純にスーパーや郵便局、銀行、集いの場を集落の中心に集約させればいいのです。
最近ではコンビニで、郵便、銀行もATMで扱えるようになり、わざわざ郵便局や銀行を探さなくてもよくなりました。宅配サービスもしてくれるし、イートインで知り合いとお茶をすることもできるようになっています。
ただ大手チェーンはやはり利益重視ですから、人があまりいないところに店舗ができることはあまり期待できません。政府がだめでも自治体の方で誘致するようにすればいいのでしょうか?あるいは、チェーン店がなくても、役場とかにそのようなスペースがあればいいのでしょう。たとえば、道の駅のようなものが集落の中心にあればいいのかなと思います。
さらには、コンビニエンスと言うのだから商品を売るだけでなく、便利性の追求として人の力を売るというのもいいのではないでしょうか?予約性にして、1時間でも2時間でも、予約した人の家に行って草むしりをしたりとか屋根瓦を直したりとかするのです。あるいはコンビニで手に入らないような物品を買い出しにいったり、送り迎えをしたりとかできたらいいじゃないですか?
もちろん、それなりに働き手は必要になりますので、それは役場で働いている人なりが出張に行って手伝うような感じでやれないでしょうか?
高齢者がネットを駆使することはなかなか難しいのかもしれませんが、これから高齢になる私たちは今すでにネット環境に慣れ親しんでいるので、高齢者の仲間入りをしても、いざというときはアマゾンや楽天から食料品を買うようにすればいいのでしょう。最近は急な場合でも、早くに届けてくれるようなサービスも始まっています。数年後には高齢者宅の玄関にアマゾンの箱が山積みになっている光景も見られるようになるのでしょうか。
最近は移動販売車が村の中を周回していることも多くなってきました。毎日新鮮な食料品を積んで家々の前に止めてお店を開くのです。若者が自分の故郷に戻って、故郷のためにということで半分ボランティアではじめたというニュースを見たことがあります。食料品だけでなくお惣菜なども自分たちで朝早く起きて作って、高齢者宅をまわって販売しているとのことでした。ほとんど儲けはないそうですが、自分の故郷を大切にしたいという思いが彼らを動かしているとのことでした。移動販売車ならば、高齢者も必要なものは家の前の車まで歩いてくればほしい物が手に入るわけで軽い運動になりますし、そこで隣人と顔を合わせることができます。時に住人が出てこない家については様子を伺いに行ったりして安全を確認できるという利点もあります。
これも個人でやろうとすると、仕入れとかのお金の問題がありますし、休めないなどの労力の問題があります。クレープの移動販売みたいに会社がバックアップしてくれると、働き手も安心して移動販売を続けることができるのではないでしょうか?
周回バスやタクシーの利用はどうでしょう。バスだとどうしても停留所は決まった場所に限定されてしまいますが、可能な限り集落の中を回るようにすれば町の中で人々が集まったりすることもたやすくなるはずです。ただやはり決まった時間の運行となりますので、急な用事の場合には難しいかと思います。
より時間的な融通が利くのは、タクシーになるでしょう。ただ田舎のタクシーというのは個人タクシーになってしまうのでしょうか、数はあまり多くはありません。
そんなときに役に立つのが、ウーバーなどのシェアライドシステムだと思います。若者が出かけるときに、高齢者宅に寄ってピックアップしていくのです。ウーバーのような大手のシステムを使わなくても、自治体独自のシステムを生み出していけばいいのです。朝会社に行くときに、となりのおばあちゃんを集会場まで送っていくとか、子どもを幼稚園に送るときに向かいのおじいちゃんをデイサービスまで送っていくとか。そういう小規模な活用からはじまって、もう少し広範囲でのサービス拡大といったところでしょうか。協力していただいた家族には、自治体から何かしら報酬を出すなどすればいいのです。
思いつきのまま書き出してみましたが、実際に車がないとものすごく不便な田舎というのが、どれだけ存在しているのかわかりません。しかし、ないわけではないですし、実際そういうところで暮らしている高齢者の方々がまだ多くおられるので、何かしら知恵を絞ってその方々の生活の質を保証してあげることが必要だと思います。
このように都市の中で生活していると気づかないような問題はまだまだあると思います。
では今日はここまで。
以上たーさんでした(終わり)
お疲れのところお読みいただき、ありがとうございました。