13日の日曜日に、新庄選手のインスタグラムに衝撃(?)のニュースが流れた。
新庄選手が、日本プロ野球への復帰を断念したそうだ。
(正確には新庄元選手になるのだが、自分はリスペクトして新庄選手と呼んでいる)
選手として厳しかったのか?
48歳という年齢、体力の衰え、そして14年間のブランク、やはりすべてに無理があると、各球団に判断されたわけなんだろう。
「いや、新庄選手を獲れば、お客さんは入る。」
そういう意見もあると思うが、現役で歯を食いしばって必死で首切られまいと頑張っている選手がいる中で、彼が入団したせいでそのうちの一人がグラウンドに立てなくなってしまうことを考えると、そう安易に獲得に動くべきでないということは、容易に想像がつく。
ましてや、シーズンを通して今の体でやっていけるのか。
彼自身もトライアウトが終わったその日は、4時間近くズボンを履いたまま寝てしまったというくらい疲れていたそうだ。
これでは、翌日試合があっても、しっかり戦える状態にあるとは言えないだろう。
(もちろん、彼のことだからそれなりに体を作ってくるのだろうが...)
コーチならいいんじゃない?!
では、コーチとしてやっていけばいいではないか、という意見もツイートされていたが、これも難しいかと思う。
たしかに、守備に関しては天才的だし、いまだに肩の強さは健在だったが、人を教えるとなった場合果たしてどうか。
「天才=良い教育者」には、必ずしもならないというのは過去が示している。
もちろん、ほかのコーチとうまくやっていけるかということもあるだろう。
まあ、素人がああだ、こうだと言っても、所詮飲み屋での会話でしかないので、やめておく。
全国のオッサン世代にはすごく良い刺激に
しかし、この挑戦、全国のアラフィフ、オッサンの年代にはすごく刺激になったんじゃないだろうか。
もちろん、サッカー界にもキングカズこと三浦知良が53歳でがんばっており、それもすごい話。
だが、通年体を鍛えまくっている、ある意味別次元の三浦選手については、私たち普通のおじさんにとってはもう届かないレベル、雲の上の人という感じ。
こうなると、ひたすら応援しかない。
ところが、新庄選手の場合は2019年までバリ島で好きなことをして過ごして、全く野球をやっていなかった環境から一念発起して挑戦しようと決意している。
つまり、ほぼゼロの状態である。
そこから14年ぶりに体を鍛えなおして、野球感を取り戻して。投げる、打つ、守るをすべてこなしていこうという、野球を知っている人間からすると到底無理だとあきらめてしまうようなことをやろうとした。
もちろん、センスという意味ではやはり持って生まれたものはすごいけど、一応スタート地点は私たちと同じような場所にあったので、より身近に感じるのだ。
(さすがに、私みたいに三段腹ではなかったが(笑))
そして、テレビでも放映されていたように、トライアウトを受けられるところまで体を仕上げていったところがすごい。
ものすごい努力!
極限まで自分の体を追い込んで、いじめ抜いて鍛え上げていっている。
ダメだったら、バリ島に戻ろうとか、テレビ中心に活動しようなんていう感じではなく、バリ島の家も売り払い、カメラの前で野球に専念すると宣言してのトライアウト挑戦。
完全に退路を断って、自分を追い込んでいた。
強い意志をもって、自分の体を鍛えぬいているのをマジマジとテレビ画面を通して見させてもらい、自分のダイエットや断捨離、勉強がいかに甘っちょろいか痛感した。
(いやいや、それはまた別の話だが)
本気で何かを会得したいのならば
最近読んだ本で、
何かやるにあたり、それをしっかりマスターするためには、それが自分の生活に関わるくらい危機に面している状態でないと、人間は本気でそのことに向き合うことはなかなかできない
とあった。
(何の本か忘れた、すみません)
例えば、語学を習う。
いざとなったら日本語でいいや、あるいは日本にいればいいや
という気持ちがどこかにあるから、本気で英語が上達しない。
あらゆる逃げ道を塞ぎ、英語に一極集中するような環境に自らを追い込むことが英語上達への最も近道なのだと考える。
仕事においても同じだろう。
「プログラミングの知識を身に着けて転職したい」
というような記事をよく見かける。
その際に、今の仕事は即やめるべきか、続けながら勉強してうまくいくようになってから転職するか、どちらがいいのかという議論はある。
この場合も同様で、
「今の仕事があるから大丈夫。うまくいかなければそのまま続けていよう」
とかそういう生半可な気持ちでは、いつまで経ってもプログラミングの知識は身に着かない。
たとえ、身に着いたとしても時間がかかるだろう。
もちろん、自分の生活がかかっているので即退職するというのは極端すぎるし、このコロナ禍において危険すぎるかもしれない。
しかし、自分には転職しかない、どうしてもプログラミングの知識をマスターして、システムエンジニアになるんだという強い意気込みで勉強した方が、より早く習得できるのではないか。
オファーのなかった新庄選手の言葉
「1%の可能性を信じてやって来たが、今日0%になり、ただただ悔しいし情けない。身の程を知りました! 応援してくれた皆んな、サポートしてくれた皆んなに申し訳ない! しかしいくつになっても挑戦した自分に悔いはなし! みんなも挑戦する楽しさをわかってほしいなぁ! 短い1年だったけど応援してくれた皆さん、有難うございます。感謝します!!」
これが新庄選手の敗戦の弁だ。
トライアウトから6日目。
潔く負けを認め、後に引きずることはなかった。
むしろ、引きずっているのは自分の方だった。
いまだに、阪神の谷本球団本部長が内緒で、実は交渉しているのではないか、なんて考えてしまっている。
(ボーアについても然り)
またファンからしたら、もう数年早く気持ちを決めていてくれて準備を始めていたら、状況は変わった可能性はあるとも考えている。
ひょっとしたら、彼の雄姿を甲子園で観れたかもしれない。
戦力としては?だけど、バッターボックスに立ってバットを振っているだけで、華がある、そんな選手だから。
おじさんに勇気をくれた、新庄選手ありがとう!