こんにちは。
今、こうしてキーボードを打ち込んでいて、ふと思いました。
「こうやって文字を打ち込んで変換していけば、自分の望み通りの文章が書けるけど、
実際同じ作業を手書きでおこなった場合に、果たして同じスピードで同じように文章が
書けるんだろうか。」
「あの漢字、どういう字だったっけ?」
「この慣用句はこれで正しかったっけ?」
「一個ずつ?それとも一個づつ?」
パソコンやスマートフォン(以下スマホ)を日ごろから使っていると、文字や言葉を忘れているなんてことありませんか?
私なんて、先日久々に手紙を自筆で書こうとしたのですが、便箋1枚を書くのに1時間近くかかってしまいました。
漢字が思い出せず、送り仮名を間違え、悪戦苦闘の連続でした。いっそのこと、メールで返事を出そうとも思いましたが、さすがに目上の人に対して失礼なので、そこは頑張りました。まあ、自筆で手紙を書くなんてことは、みなさんもそんなに多くはないのかもしれませんが。
世の中はこれだけ便利になったのだから、いっそのことその便利さに乗っかってしまえばいいじゃないですかとも思います。
「字が汚いので、ワードで打たせていただきました」で済む話かもしれません。学生のレポートだって、わざわざ教授の方から「ワードでA4何枚でまとめてきてください」と指示を出す世の中ですもの。
スマホ(特にSNS)を使っているときは 脳が活動していない
ところで、そんな便利な世の中に警告するような記事を先日雑誌で読みました。
東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太先生の話です。川島先生は、「脳トレ」を開発した先生でおなじみですね。
先生の研究によると
パソコンやスマホに没頭していると、漢字や言葉を忘れやすくなるとのことです。
(まさにそのとおり!)
確かに自分の場合、最近人から聞いた電話番号やWEBサイトのパスワードをなかなか覚えられないことが多くなってきました。
特にスマホの場合はLINEやメール(以下SNS)を打つことが主体だと思いますが、一見手を動かしたり頭を使ったりして脳を刺激しているように思えますが、実はこの時の脳の働きを調べてみると、
脳の働きは抑制されている状態、つまり眠った状態なのだそうです。
パソコンの方は、まだレポートを書いたりするときに文章を組み立てたりしていますので、少しは脳を働かせていますが、スマホでSNSをやっているときは夢遊病状態なのです。それを歩きながらやっているわけですから、事故が起こっても不思議ではないでしょう。
SNSでのやり取りは単語の投げ合い
そもそもSNSでの会話を思い出していただければわかると思いますが、いわゆる「単語1つや2つの応酬」で「文章でのやり取り」ではないのです。
「いまどこ?」
「スタバ」
「なにしてんの?」
「コーヒー飲みながら、メールチェック」
(会話の内容がおっさんレベルで、すみません)
こんな感じですよね。
傍からみて主語、述語もはっきりしないし、そもそも文章として成り立っていません。言葉は省略されて、ありもしない和製英語が使われています。できるだけ早くに返信しなければいけないあるいはスペースの関係上、面倒な文字の多い単語や「てにをは」は避けがちです。つまり、しっかり頭の中で考えて文章を作るわけではなく、その場で思いついた単語1語、2語のキャッチボールになってしまうのです。
脳に抑制がかかって、考えるという作業が抜け落ちてしまっています。
川島先生の研究では、
実際にSNSをやればやるほど、学生の学力は下がっていくのだそうです。それは睡眠時間や勉強時間の長さに関係なくです。
仙台市の子どもたちのデータでは、SNSをより長くやっていると、睡眠や勉強の時間に限らず1教科あたり5点も点数が下がったと報告されていました。
高齢者にパソコンやスマホを持たせて、脳の活動を上げていこうとする試みがありますが、実は逆効果だったりするのです。
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ネットサーフィンをしていても、実はいいことはありません
パソコンにおけるネットサーフィンも同様なのでしょう。
一見情報収集には非常にいいツールなのですが、実際に翌日になって前日に収集した情報の内容を書き出そうとしても思いつかないものです。必要あるなしに関わらず膨大な量の情報がいっぺんに頭の中に入ってきてしまい、その情報一つ一つを整理できていないことが多いのです。
要は、雑誌の切り抜きや資料のコピーをドサッと机の上に置かれて、何がどこにあるのかわからない、自分で整理できていない状態と言えばわかりやすいでしょうか。そんなとき、頭の中では漠然とぼーっとしたシルエットでしか物事をとらえておらず、情報一つ一つをリンクさせて知識として構築することを怠っております。
大事なことは、必要な情報とそうでない情報を頭の中で選り分けて、さらにその情報をきちんと整理して考えながらまとめ上げることなのです。そして、その作業そのものは画面を見ているだけではなかなかできるものではなく、やはり手を動かしてきちんと文字におこして行う方が効率いいに決まっております。
頭の中でモヤモヤしていることも、一度書き出してみると、はっきり明確になるものです。
スマホやネットを使わない時間を作る
勉強をしたり仕事をしたりしているときに、そばにスマホがあったりネットできる環境のパソコンがあったりすると、気になってそういった記憶したり創造したりする作業が中断してしまいます。
川島先生曰く、
「精神的に深く潜っていく作業ができず、浅瀬でずっと生きている魚のような感覚。こういう人が増えている」
ということだそうです。
ビジネス書なんかにも書かれている、1日の中でスマホやネットに触れない時間を作ることが大事なのです。
ふと自分が1日のうちにネットに触れなかった時間、さらには実際に物事を考えるために使った時間がどれだけあるか思い返すと、ぞっとするたーさんでした(終)